最近、リスクに対してのコスト負担割合がいろんなところで高くなってきている。ロンドンの事件により、ゴミ箱があちこちからなくなったが、鉄道や交通機関など、これからどれくらいのリスク対策コストをかけることになるのだろうか?事業会社側の負担なのか?安全な社会を作る国の負担なのか?社会情勢に応じて、政府としてもスピーディーな対策や行動がより必要になってきている。
また、顧客情報の漏洩やら、インターネット関連へのハッキングとか、ウイルス対策とか、とにかくリスク対応コストの増加傾向は当面続きそうだ。とある通販事業の業務・システムの再構築のお手伝いをさせて頂いているが、クレジットカード情報をデータベースに保持しない方針で検討しているし、決済関連の機能を提供するために、多くのセキュリティー対策のための設備投資を余儀なくされる。これまでは、サービスや製品の品質・コストに注目されてきたが、これからのITサービスは、セキュリティー対策への注目度がますます重要度を増してくることに間違いはない。ユーザーにとって便利な機能も、セキュリティーの観点などから、一部なくなることもある。
これからの社会の仕組み化は、セキュリティー対策なしには構築できない。IT業界もセキュリティー関連についての対策が低コストで組み込めるノウハウがないところは、置いていかれるであろう。
システムリスク対策が、”ミスやハード障害が発生した場合の対策”などから”狙われた場合の対策”にシフトしてきている。なんだか、性悪説で物事を考えなければならない社会になってきていることに、寂しさを感じる。
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