CNETさんに、「今までのやり方は通用しない--激変するソフトウェアビジネス」という記事が載っています。私も、つい先日に関連したことを書きましたが、まさにそうした傾向にあることは確かと思っていますので、私なりの考えをちょっと書いてみようかと思います。
既に、ライセンスモデルで事業をしている企業は、そのモデルをやめてソフトライセンスを無料にして広告で設けることに変更することはなかなかできません。特に、マーケットを持っている企業は、現在の事業をぶっ壊し、経験のない広告収入というゼロからの出発をしなければならない訳で、こうした動きは取りにくい状況にあります。 同じマーケットに参入しようとしている企業やベンチャーなどは、既存のシェアーを持っているソフトウエアに対抗していかなくてはならず、よっぽどの差別化がない限り営業コストが莫大になり、とてもひっくり返すことは無理です。ある意味成熟しているマーケットとほど、既存をひっくり返すことは難しいわけで、ではどうやって参入し、ひっくり返すか?という選択として、無料で提供しますという手が使える時代になったと理解しています。
おそらく、ソフトウエアライセンスとしてのマーケットとして市場が形成されていて、似たようなシステムを作るコスト(投資)があまり必要とされない領域は、この無料モデルのターゲットになる可能性が高いと思います。それと、業務色をあまり持たないツールっぽいシステムは、こうした脅威にさらされる可能性が高いと思います。加えて、他社製品を担いで工数を提供している事業形態をとっている企業は、何を事業にしていくかという点でも難しいことになっていく可能性があります。
すべてのソフトウエアが無料になるわけではないと思いますし、重量課金的(月額料金などの)モデルにシフトもしていくでしょうし、ソフトウエアを含めたサービスという形態に変化していくことでしょうし、いずれにしてもこの流れは確実であると理解しています。
それと、”無料”ということはなかなか考えにくいことですが、こうしたことはソフトウエアの業界だからできることなのかもしれません。一つの理由としては、世の中のエンジニアの中でも、大手Sierなどで働いている方は、キャリアパスとして課長になって部長になってというマネジメントライン職へステップアップしていくことが標準とされているかと思いますが、こうした環境からはなかなか生まれてこないと思います。技術が好きで、一般的な出世など興味ないけど、がんがん作りたいものを世の中に出していくこと、その過程で自分の技術力を磨き、アピールしていくことなどを思考しているエンジニア集団がいる組織でないとできないことかもしれません。ただし、そうしたエンジニア集団とマーケットなどを捉えてうまく戦略を推進できる人の組み合わせがあれば、少ない投資コストでチャレンジでき、可能性があるのではないかと思っています。
デッカイ相手をひっくり返すチャンスがやってきたと考えておきましょう!
我々のコールセンターのソフトウエア領域はどうなんでしょうか、、、。ちなみに、自社開発したソフトウエアを一括ライセンスと月額ライセンスの両方の課金モデルでやっています。